History of "Kelly Kettle"

1890年代
ケリーケトルの歴史は1890 年のアイルランド西岸まで遡ります。
現在のケリーケトル社の社長パトリック・ケリーと同じ名前でひいお爺さんのパトリック・ケリーはアイルランドのマヨー郡にあるコン湖のほとりで農夫として働く傍ら漁師としてサケやマスを釣っていました。寒い冬の漁でも簡単に温かいものが飲めるようにしたいと湖のほとりにある松ぼっくりや小枝を缶詰の缶に入れて燃やし、お湯を沸かせるように作った道具がケリーケトルの原型です。 その後繰り返し使用できるように銅製のケトルが作られるなど改良が重ねられ、簡単にお湯を沸かす様子が漁師の仲間の間で評判となり、”ケリーさんが作ったケトル”として広まっていきました。

1950年代
息子のジム・ケリー(現社長の祖父)がさらに改良を進め、小規模ながらアルミ製の1.6リットルタイプを製品化し、コン湖では有名な漁師でもあったジム自身が 漁にでるときは常にケトルを持って行って使用していたところ、荒れた天候の中でも素早くお湯を沸かしてスープを飲む姿が口コミで広まり、西アイルランド一帯では誰もが知るケトルとなりました。

1970年代
パドレイク・ケリー(現社長の父)がファミリービジネスとして生産設備を近代化し、0.5リットルやアルミのクックセットを開発しました。
この頃になるとアイルランドにもヨーロッパ各地から多くの観光客が訪れるようになり、ケリーケトルを見た多くの外国人、特にイギリス人やドイツ人から注文が多数寄せられるようになりました。
またコン湖で指折りのアングラーであったパドレイクはアイリッシュ・トラウト・フライフィッシングチームのメンバーとして多くの大会に参加し、有名になっていたのでケリーケトルのビジネスも口コミで急速に拡大して行きました。

現在
4世代目のパトリックとシーマスが2005年から会社を運営し、大規模な投資と国際化を進め、
ポットサポート1.3Lスカウト1.7Lステンレスクックセットステンレスなど新しいアイテムを発売しました。
販売本数は年間3万本を超え、ヨーロッパ・北米・アフリカなど幅広い地域で販売されています。
2010年末よりケリーケトルUSAの立ち上げに伴って増産に対応する為、アルミ製品は中国で委託生産し、スレンレス製品はイギリスで生産するという2拠点体制をスタートいたしました。※2012年より日本向けに関しては、ステンレス製品も含め全て中国工場生産分を輸入することになりました。

変わらないもの
ケリーケトルのデザインは多少変わりましたが、すばやく熱を伝えるダブルウォール構造と効率よく燃焼させる煙突構造は100年以上経った今も変わることはありません。
また、 コン湖のほとりは今も自然にあふれ、燃料となる小枝や枯れ草などが多くあり、現在も釣りガイドを営むケリー家の人々と供に釣り客にあたたかいスープやコーヒーを入れ続けています。
釣り人たちも、ケトルの水が沸くスピードに数百年前と同じように魅了され、またさらに口コミで世界中に広まってゆくことでしょう。


※Welsh の釣り人の一行とLough Conn で昼食を楽しむ (1964)


Padraig Kelly (1975)